評価の高いゲームを分析して皆様のゲーム作りに役立てば幸いです。
概要
TPSと呼ばれるジャンルは元来射撃系が多く、
ミリタリー系の世界観で提供される事が多い。
その為、世界的なヒット作が出ても、子ども向けではないし、
日本でヒットするのが難しいジャンルとなっていた。
そんなイメージを払拭したのが本作。
ポイントとしては次の通り
「誰でも楽しめる対戦ルール」
「子どもにも受ける世界観構築」
色塗りメインの対戦ルール
色塗りと組み合わせ、床も壁も塗れる場所をできるだけ
多く塗り上げた方の勝ちとなるこのルールは「ナワバリバトル」と名付けられている。
従来の撃ち合うゲーム性だと熟練者と初心者の技術さが結果に大きく影響し、
格闘ゲームと同じく初心者参加の機会を奪っていた。
しかし、このルールだとシューターが苦手な人でも対戦相手からは逃げ、
色塗りに専念することでもチームに貢献出来る。
作り込まれた世界観
キャラクターは全てイカ。
ストーリーモードで出て来る敵はタコ。
セリフもイカしているし、ステージ名は全て海の何かに因んでいる。
ガイド役は二人組のイカアイドル。
ゲーム性にも合っており、どこまでも作り込まれている。
公式ツィッターまでもその世界観構築に一役買っている。
その結果、コンテンツだけでも成り立っており、イカアイドルは
ライブを開くわCDデビューするわの人気ぶり。
制限されたゲームモード
骨までしゃぶり尽くさんとばかりにそのシステムを使い倒す任天堂製
にしては珍しく随分遊びが制限されている印象がある。
- オンライン前提で作られているのでオフライン要素はボリューム不足。
- オフラインでの2人対戦はあるもののルールにナワバリバトルは無く、
風船を多く割った方の勝ち。
- 目の前の友だちと一緒にオンライン対戦出来ない
出来ないはずはないのであえてやらなかったのだろう。
世界観の作り込みと裏腹に遊び方は限定しているのが、
どういった思惑なのか気になるところではある。
オンライン必須の為、サーバ維持や運営予算などランニングコストがかかってしまう。
しかし、ゲーム自体はパッケージ売りの為、
サービスを続ければ続ける程黒字が減っていく嬉しい悲鳴状態。
ゲームオブザイヤーも取ったヒット作だが、
売上自体はそれ程貢献できてない事が予想される。
続編では売り方を変えてくるのでは無いだろうか。
この辺りが先に述べた限定された遊び方に
関係しているのではと推測してしまう。考えすぎだろうか。
開発の肝
操作性
ルールが違うとは言えシューターはシューター。
直感的な操作は必須だが、この点も良くできている。
アナログスティックとジャイロ両方に対応しており、
移動しながらも照準の微調整が可能。
相当試行錯誤して作り上げてある。
フィードバック
敵を倒した時のバチンと弾ける感触
色塗りの気持ちよさ。
戦況表示
テレビ画面ではTPS
ゲームパッド画面では戦況
と上手に使い分けられている。
雑感
TPSが日本でもヒットする喜びと共に、
売り切りの限界を見た気がして切なくなった。