ゲーム因数分解

感想を並べたいんじゃなく分析して開発に役立てたいんです

PS4『アサシンクリード シンジケート』を因数分解

評価の高いゲームを分析して皆様のゲーム作りに役立てば幸いです。

概要

歴史に暗躍するアサシンとなって街を駆け回る。
作品ごとに変わる時代と舞台が楽しみでもある。
今回は産業革命時のロンドン。
あくまでイメージだが、黒い煙に覆われた空、薄汚れた街並み、
街角で流れる音楽がリアルに感じられる。

遊び

ストーリー
    ロンドンで活躍するアサシンが描かれる。
    歴史上の人物が登場するところも恒例で
    「実はアサシンがこんな風に関わっていた!」というフィクションが楽しい。

    エピソードごとに分割されており、
    ユーザ任意でいつでも寄り道が出来る自由さが快適。
    クリア条件は常に画面に出ているので迷子になる事も少ない。

    アサシンクリード2の頃はアサシンの系譜的なシリーズ通じた
    バックボーンにワクワクしたが、その辺りの引きは弱くなっている。

マップ探索
    - 賞金首拉致
    - ギャング壊滅
    - 児童解放
    - テンプル騎士狩り
    など横道イベントが沢山ある。

    クリア報酬
    - マップ支配率向上
    - 武器防具のアンロック
    - 経験値入手
    - 仲間の信頼度向上
    など

アイテム収集
    広大な街の中で宝探し。
    プチプチを潰していくような小さい楽しみ。
    マップ探索と合わせて小さな動機が散りばめてあり、
    お陰で移動が苦になりにくい。

スキルアップグレード
ギャングアップグレード
装備の強化
    お金の消費や仲間の信頼度向上によって出来る事が増えていく。
    それによって攻略しやすくなる。
    覚える順序はユーザ任意。
    ただしレベルによる制限はある。

改善点

意図せぬ移動
    壁も自由に登れるし、ワイヤーを使った空中移動も出来るようになり、
    調整が難しいとは思いつつ意図せぬところに移動してしまう事が結構あり、
    ストレスを感じる。
    ワイヤー移動のL1表示みたいに壁登りもうまくインジケーション出来ないものか。

入力が成功したのか分かりにくい
    回避アクション、拉致などうまく行ったのか分からない時がある。

遊びのパターンが減っている
    以前は高台に登る際、どういうルートで行くかまず観察する
    パズルみたいな楽しさがあったのだけど、
    今回どこからでも登れるようになっていて残念。
    ストーリー進行に必須なので詰まらないよう敷居を下げたのだろうか。

    またブラックフラッグの海戦のような
    ミニゲーム(と呼ぶには歯応え雰囲気も出来過ぎだった)が無くなっており、
    物足りなさを感じた。

開発の肝

操作性
    動きの自由が効きすぎて誤操作しやすくなっているのが悩ましい。

情報密度
    スキルにしてもギャングアップグレードにしても、最終的にやれる事は沢山ある。
    が、少しずつアンロックされていくのでユーザが置いてきぼりにならない。
    ただ男女でスキル別管理なのは必要だったのだろうか。

ステルスアクション?
    ギャングとの抗争など正面衝突必至のイベントに
    別の攻略法が欲しかった。

    「俺は暴力が嫌いだからステルスに徹するぜー」
    「げっ、見つかった!」
    「かくなる上は全員皆殺しだー」
    という切ない方針変更を防ぐ為に。

雑感

いつも通りとても出来が良いだけに新鮮な体験に欠ける。
シリーズ重ねているのでマンネリ化を打破する新要素が欲しい。