読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ゲーム因数分解

感想を並べたいんじゃなく分析して開発に役立てたいんです

WiiU『ゼノブレイドクロス』を因数分解

評価の高いゲームを分析して皆様のゲーム作りに役立てば幸いです。

概要

ゼノブレイドシリーズの新作だが、前作とは世界も登場人物も異なる。
未知の文明に襲われた地球を追われ、惑星ミラに不時着した人類は
新たな故郷とすべく現地調査に乗り出す。

ファイナルファンタジーに最も勢いがあった頃にリリースされたゼノギアス。
FFを否定するような広告コピー、
パット見冴えない主人公、
「面白いのか?」と懐疑的にプレイしたものの「こんな展開が待っているとは!」と良い意味で衝撃的だった事を忘れない。
一部未完成な部分があったがそれを踏まえても名作だった。

それに続くシリーズとして制作されたゼノサーガシリーズでは期待は裏切られてしまう。
会社が変わり開発チームの経験値が出てしまったのかゲームシステムとしての品質も良くは無かった。
また前作同様SF設定が壮大すぎてまとめきれていなかった。

次に出たのがゼノブレイド。
今作もやはりまとめきれない危機に見舞われるが、
関係各社の協力を経て見事な作品にまとめあげた。
プラットフォームも内容も別物なので比較出来るものではないが、
システム、グラフィックや演出もとても良かった。

再び期待値を上げて出てきたのが本作である。

遊び

惑星探索
    未知の世界を自由に動き回る。
    中盤からはドールと呼ばれるロボットに乗り、空も飛べるようになる。
    完全なオープンワールドではないが、十分満足行く体験を提供してくれる。

ストーリー
    人類が生き延びる為に惑星探索する動機は良い。
    その先に何が起こるかは大体予想がつきサプライズは少なかった。

    また(理由付けはあるものの)キャラクターの掘り下げには欠けており、
    前作のイメージが強いプレイヤーは不満を持っただろう。

クエスト
    最も力が入っていたのがここ。
    いわゆるお使いゲームになっているが、
    多彩な展開、広大な大地の同じところを動き回る事が少なく、
    お使い感は薄れている。
    極端な話RPGは見せ方をかえたお使いの連続。

戦闘
    生身とドールで2パターンの戦闘がある。
    どちらでも挑めるパターンがあり、開発では強さやサイズのバランス取りが重要になる。

キャラクター育成
ドール開発
    レベルと装備

フロンティアネット
    資源開発。
    同じ種類のグローブを並べる事でボーナスを狙う事が出来る。

良い点

惑星1つを作り上げた
    途方もない挑戦に挑み、成し遂げた事に感服する。
    「どこで寝てるの?」「お風呂は?」「タンスから勝手に物取って良いの?」
    生活感の無い街を多く見てきて僕らもそういうものと思ってゲームを遊んでいる。
    今作で街は1つだが代わりに惑星を一定の説得力を持たせて作り上げないといけない。
    その為には膨大な仕様とリソースが必要になる。
    このボリューム感は凄い。国産RPGでここまで出来るとは。
    その結果、惑星探索は非常に楽しく、未踏の地にたどり着いたときには達成感を感じられる。

オープンワールド風
    上と通じるがほぼオープンワールド。
    ドールを手に入れて直接街の中に下りれた時は「おおー」と声を上げてしまう程感動した。

クエストが凝っている
    前作同様多彩なクエストがある。

ボリューム感

アバターの意味
    ゼノギアスではおそらく初めてセーブポイントにストーリー上の意味をもたせた。
    「そういうもの」で済ませず納得感のある設定があって良かった。

セグメント分け
    広大な地域を把握しやすい。

改善点

クエストにまとめすぎ
    良く出来たシステムだが、
    ストーリー、キャラクターエピソード、ドール開発、
    フロンティアネットまでもクエスト経由のものがあり、
    システマチックで盛り上がりに欠ける。
    見せ方を工夫する余地はあった。

サプライズに欠ける
    不測の事態などストーリーに抑揚がほしい。

素材の逆引きが出来ない

ドール搭乗にレベル制限は要らない

開発の肝

膨大なリソース管理

雑感

最高の舞台を作り上げたので、後はストーリーや演出にもっと体力配分できればと思いつつ、
これだけの仕事をして更に求める人間の欲は怖い。
惜しい部分はあるが良作だと思っている。
国産RPGを応援したいし、今後も良い仕事が続くよう期待したい。
いつも以上に上から目線ですみません。


余談
今作もそうだが近未来SFについてなるべくニュートラルで居ようと意識しつつ苦手意識がある。
横文字を並べれば説得力が出る訳じゃないし、
違う世界、知らない技術の説明を延々されてもついていけず冷めてしまう。
すんなりとその世界に引き込むそのさじ加減が難しい。

子どもの頃は素直だし知識が乏しいので全てが目新しく楽しめた。
大人になるとアラが気になって頭に入らなくなる。

この感覚は世代的な問題もあると思っていて、
先輩が絶賛するロボットアニメやSF映画の金字塔を見てみたが自分にはいまいちどころか、
つまらなかったという経験が誰しもあるのではないか。

そのパターンに近未来SFは多くはまる。
これは時間をかけて積み上げてきたSFらしさを僕らが知らず知らず吸収しているからだと思う。

過去のオリンピックを見て「当時は凄かったんだろう」と感じるような楽しみたくても楽しめない。
そんな難しさがあるので苦手だ。