ゲーム因数分解

感想を並べたいんじゃなく分析して開発に役立てたいんです

『Nintendo Switch』を因数分解

概要

開発コード「NX」とされていた
任天堂の新型ゲーム機「Nintendo Switch」の映像が初公開された。

一言で言えば「持ち運べる据え置き機」。
Joy-Conと呼ばれるコントローラがL、Rの2つ付いており単体でも組み合わせても使える。

キラーコンテンツは?

ローンチにどれだけ強力なソフトが用意出来るかがハードの行く末を決める。
WiiUではハードの発売を急いだ結果、ソフトが揃わずハードも売れない状況が続いた。
楽しめるタイトルは実は結構あるのだが、
全体数が少なければゲームメーカーの優先度も下がる為、ソフト不足は最後まで解消されなかった。

Switchはどうか。
映像では3Dマリオ、マリオカート、ゼルダの伝説、スカイリム、スプラトゥーンなどが確認出来た。

3Dマリオは前作の3Dワールド(2013.11.21発売)から3年経つ事を考えると
新作を用意する時間は十分あった。強力なタイトルになる。

マリオカートは前作マリオカート8(2014.05.29発売)から2年半。
ローンチには厳しいか?
そもそも先の3Dマリオが出るのであればマリオを並べる必要はない。

ゼルダの伝説は強力なタイトルだが、WiiUでの発売も決定しており
どちらでも遊べるならSwitchのキラーコンテンツとはなれない。
なぜならゼルダが好きな人は
- スカイウォードソード
- トワイライトプリンセスHD
- 風のタクトHD
これらの為にWiiUを買っているはずだからだ。

スプラトゥーンはWiiUでメガヒットしているが売上に直結していない問題がある。
その為、売り方を変えて続編が出る可能性は十分考えられる。

参考: WiiU『スプラトゥーン』を因数分解

スマートフォンとの連携は?

ここがはっきりしなかったのでモヤモヤしているユーザが多いのではないか。
ゲームユーザはともかく市場は低迷が続いたコンシューマを見限っている。

個人的には据え置き機とスマートフォンでのゲーム体験は別物で、
取って代わるようなものでは無い為、どちらも続いていって欲しいが、
売上が立たない事にはどうにもならない事も理解できる。

任天堂が据え置き機を続けていくのであれば、
競合するスマートフォンゲーム層を取り込めるかどうかは重要となる。
SNS連携を充実させていくPS4のような展開もありだろう。

そういう意味ではSwitchをスマートフォン型で出しても良かったように思える。
OSがAndroid、もしくは、Android/iPhone向けのコンテンツが動く
新しいデバイスとなれば革新的だったろう。
もちろん技術的な敷居も高い。

分かりやすく言うと「Switchでスーパーマリオランは遊べるのか?」だ。
子どもたちも遊びたい。
親としてはまだスマートフォンをもたせるのは早い。
というニーズを汲み取れるかどうか。

このゲーム機でそこまで踏み込むのかスマートフォンはあくまで別で展開するのか。

雑感

今回の映像で感じたのはあくまで据え置きを基準とした点。
逆に「スマートフォン型のゲーム機」と紹介する事も出来たのにそうはしなかった。
その方がインパクトはあったのに。
テレビ画面を通じた遊びが第一、持ち出して遊べるのはその次という事だろう。

また比較的大きなデバイスとなる。
スマートフォンよりは大きいのでユーザが持ち出す空気を作り出せるかどうか。
ポケモンGOのような訴求力のあるコンテンツにかかってくる。

コントローラに関しては分かりにくい印象を持った。
いろんな使い方が出来るけど、どう遊ばせたいのか。
トランプじゃないので具体的なソフトが出ないと意味がない。
つまり開発者がどう料理するか。
3DSの立体視、PSVitaの背面パネルなど殆ど使われなかった例があるので
「いろんな事が出来る」は不安でもある。

- 価格は?
- 解像度は?
- コントローラ3台目以降はどうなる?
- Wii/WiiUのソフトは遊べるのか?

まだ気になる点が多く評価するには早い。
初めてDSが発表された際2画面に対して多くが懐疑的であったが、その後の大ヒットに繋がった例もある。
ゲーム人口の拡大を図っていた任天堂が
社長交代後どういう方針でゲーム業界を牽引していくのか。
期待しながら続報を待ちたい。